先日、夏休みをとってヨーロッパ旅行に行きました。
オランダ・アムステルダムでハイネケンの工場見学ができる「ハイネケン エクスペリエンス」という施設に行ったところ、SNS施策をいろいろされていたので、紹介したいと思います。
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そもそもなぜ「SNS施策」なのでしょうか。
買おう、行こう、などといった人の行動には、友人などのシェアが大きく影響していると言われています。広告や宣伝で「○○がいいですよ」と言われたものより、友達がフェイスブックで「○○に行ったら、こんなことができて、よかった!」というのを見て、自分も行ってみたい、となることの方が多いのではないでしょうか。
企業や施設が、それを意図的に作ることは難しく、また、たとえ「すばらしい商品だった」と思ってもらっても、それをシェアしてもらわなければ、他の人に伝わることはありません。
ですので、新商品のプロモーションや企業の企画するイベントなどでは、「いかにソーシャルメディアでシェアをしてもらうか」というところに重点が置かれることが最近は増えてきています。
私たちは感動したり、驚いたりしたときに、シェアをすることが多いです。企業ではそういった「しかけ」を用意したり、リーフレットやチラシ、写真映えする看板などを用意して、「シェアしたい」と思わせることに注力しています。
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ここで、件のハイネケン エクスペリエンスに戻ります。
私が行った日は土曜日で非常に混んでおり、建物の外にまでチケットを買う人の列。列の途中に出口があったのですが、そこから出てくる女性が皆一輪のひまわりの花を持っています。いいなぁ。でも、なんだろう?
ようやく順番がきて、入場料を払うとチケットの他に手につけるバンドをもらいます。
このバンドに「SHARE YOUR Twitter #HINEKENEXPERIENCE」と書いてあります。ツイッターでツイートしてね!その時はこのハッシュタグをつけてね」という意味ですね。
実際このハッシュタグをツイッターで検索すると、ここで撮った写真などがシェアされています。
#HEINEKENEXPERIENCE のツイート
ハッシュタグを付けてツイートをした人が見ることができるのはもちろん、偶然ハッシュタグを見かけた人がこれを見て興味を持って施設に訪れる、ということもあるはずです。この施設での体験がこのハッシュタグに集約されますので、調べるユーザーにとっても、企業にとってもありがたいのではないでしょうか。
このバンドには最後にビールを飲む時の引き替えチップがついているので、なくすわけにはいきません。また、バンド状にすることで簡単に身につけることができ、なくしにくいですし、手に付けられるのですぐに見れる場所にある、という利点もあります。
さて、施設の方に戻ると、最初はハイネケンの歴史や古い広告や賞状の展示、ビールがどのようにできるかの説明などの紹介が続きます。
途中には「stables」と、馬がいるスペースもあって個人的にも楽しめました。車がなかった時代に馬車を使ってビールを運んでおり、馬を飼っていたので、それを再現していたようです。
ビールの試飲が済んだら、後は楽しめるアトラクションがたくさん。音楽が流れている部屋に始まり、映像が楽しめる部屋、ゲームやオリジナルラベルを作れる場所などもありました。プリクラのように写真を撮れる「PHOTO BOOTH」も。印刷もできるしメールで送ることもできるようになっていて、メールで送られてきた写真はそのままシェアできますね。
最後は、ビールを注ぐ体験をしたり、冷えたビールを注いでもらえるコーナーがあります。壁にはこんな表記が。
ツイッターやフェイスブックでのフォローを促しています。
Heineken Experienceのフェイスブックページ
ビールを飲みながら、片手に携帯電話。ツイッターやフェイスブックを見たり自分で撮影した写真をアップする人も多いと思いますので、そのタイミングでSNSを見てもらい、ファンを増やそうという狙いでしょうか。
ビールを置けるテーブルはグラスを置くと映像でコースターが現れるというもの。こういう楽しみが随所に散りばめられていました。
出口のひまわり、恐らくですが同日に新エントランスをオープンしたゴッホ美術館のお祝いで配っていたものだと思われます。というわけで、「ハイネケン エクスペリエンスに行ったらひまわりもらえた!」という経験を私もここでシェア(時間差ですが)。嬉しいことは、シェアしたくなりますよね。
★「ハイネケン エクスペリエンス」SNS施策まとめ★
■ ハッシュタグ「#HINEKENEXPERIENCE」を決めて統一する。
■ 最後まで持っているバンドにハッシュタグと「シェアしてください」を明記。
■ 写真を撮りたくなるスポットを複数用意。
■ SNSを見ていそうな場所でアカウントを紹介。
ビールが好きな方には特におすすめです。アムステルダムに行った際は、ぜひ立ち寄ってみてください★